民俗学

室生犀星『我が愛する詩人の傳記』

我が愛する詩人の傳記 室井犀星 カバー破れ有シミ日焼け強ACSノーブランド品Amazon ここ3年半ほどの間、あれこれものを考えるにしても、手もとにある古書雑書の類と、そこから派生するとりとめない問いに関して求めて読むものをベースにして算段することしか…

花田清輝『さまざまな戦後』

さまざまな戦後 (1974年)作者:花田 清輝読売新聞社Amazon 花田清輝、というのは最近だと、どうなんだろう。やはりものの見事に忘れられているひとり、になるのだろうか。 まあ、かの吉本隆明との大喧嘩の顛末が、高度成長期の上げ潮の時期にあたってしまって…

堀切直人『浅草』

浅草作者:堀切 直人栞文庫Amazon浅草 大正篇作者:堀切 直人右文書院Amazon浅草―江戸明治篇作者:堀切 直人右文書院Amazon浅草 戦後篇作者:堀切 直人右文書院Amazon 自分だけの大事な書き手、というのが、いる。 誰もが知っているのではない。言及されているわ…

サトウハチロー『僕の東京地図』

*1 *2 サトウハチロー―僕の東京地図 作者: サトウハチロー 出版社/メーカー: ネット武蔵野 発売日: 2005/08/27 メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 5回 この商品を含むブログ (8件) を見る *3 ● 古書の書評、というのはあまり見たことがない。いや…

谷川雁 「びろう樹の下の死時計」

はじめ私は道ばたの草むらにつないである牛の傍をすりぬけたとき、その牛がまじまじと私をみつめるのに閉口した。「内地」ならば、ふてくされて知らぬ顔の半兵衛をきめこむのを得意としているこの獣がゆっくりとみつめる大きな眼には、なにかお互いの寂寥感を…

柳田國男 『青年と学問』

そうして現在この我々の目前に、政治と名づけて若干の或る個人の考えが、国民全体の共同生活の方向をきめること、またはこれをきめうる地位に立つ者を指定する選挙という仕事、あるいは経済行為と名づけてなるべく簡単な方法をもって、楽に自分自分に都合よ…